「妊婦でも、大阪・関西万博って本当に楽しめるの?」――万博に興味津々のプレママさんなら、きっと一度はそんな風に思われたことがあるのではないでしょうか。私もその一人です。キラキラしたパビリオンの数々、美味しそうな世界のグルメ…魅力的な要素は満載ですが、それと同時に「長時間の立ち待ち」という大きな壁が立ちはだかります。
しかし、ご安心ください!多くのパビリオンでは、私たち妊婦のために「妊婦優先レーン」という、まさに神様のような制度を設けてくれています。正直、妊娠後期の身体で長時間立って待っているのは本当に大変なので、この制度には何度も助けられてきました。ただ、全てのパビリオンが常に対応してくれるわけではないのもまた事実…。今回は、そんな優先レーンの奥深さと、リベンジ成功の末に素晴らしい体験ができた「ハンガリー館」のレポートをお届けします!
一度目の挑戦…「この時間はやっていません」の壁
あれは、以前万博を訪れた時のこと。時刻は午後の15時頃、会場内もかなり混雑してきた時間帯でした。人気パビリオンの一つと聞いていたハンガリー館の前に差し掛かり、「ここも優先レーンがあるかな?」と期待して、入口のスタッフの方に尋ねてみたのです。
「すみません、妊娠中なのですが、優先的に入館できますか?」
すると、返ってきたのはちょっぴり残念なお返事でした。
「申し訳ありません、この時間は優先案内を行っていないんです。もしよろしければ、18時以降にまたお越しいただけますでしょうか」
がーん…!そうか、優先レーンも万能ではないのですね。混雑のピーク時などは、運用を制限している場合もあるのだと、この時初めて知りました。18時以降と言われても、その日は早めに帰宅する予定だったので、そこまで会場に滞在する体力的な余裕はありません。泣く泣くハンガリー館の入館は諦め、「いつか必ずリベンジしてやる…!」と、心に固く誓ったのでした。
妊婦的教訓その1:妊婦優先レーンは、パビリオンや時間帯によって対応が異なる場合があります。「行けば必ず入れる」と思い込まず、もし断られてもがっかりしない心の準備と、プランBを用意しておくと安心ですよ!
いざリベンジ!午前中の訪問で、ついに扉が開かれる!
そして、運命のリベンジデーがやってきました!前回の失敗を教訓に、今回は狙いを定めて午前中の12時前という、比較的早い時間帯にハンガリー館へ。ドキドキしながら、再び入口のスタッフの方に声をかけます。「あの、妊娠中なのですが…」
すると今度は、「はい、どうぞこちらへ!」と、快く優先レーンへと案内していただけたのです!やったー!リベンジ成功! この時の嬉しさと安堵感といったら…!やはり、時間帯を選ぶことは非常に重要だったようです。そして、なんとわずか5分ほどの待ち時間で、スムーズに館内へと入ることができました。 体力を全く消耗せずに済んだのは、本当にありがたい限り。この時点で、今日のハンガリー館体験は素晴らしいものになると確信しました。
幻想的なアートと、魂に響くハンガリー民謡の世界
優先レーンのおかげで心に余裕を持って足を踏み入れた館内は、外の喧騒が嘘のような、静かで芸術的な空間でした。
光とアクリルが織りなす幻想空間
まず私たちを迎えてくれたのは、透明なアクリルを使ったモダンなアート作品の数々。そして、天井から吊り下げられた、スズランの花をイメージしたという美しいライトが、幻想的な光を放っていました。柔らかな光が空間全体を優しく包み込み、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのよう。歩いているだけで心が癒される、そんな美しい空間でした。
順路を進んでいくと、中ほどに待合室のような少し開けたスペースが。ここで「次のご案内まで、10分ほどお待ちください」とのこと。これから始まる体験への期待に胸を膨らませたりと、この待機時間もまた、心地よいプロローグの一部となっていました。
クライマックス!魂を揺さぶる感動の生歌鑑賞
そして、いよいよ次の部屋へ。そこは、中央に一人の女性が凛として立つ、円形のステージのような空間でした。私たちは、その女性を取り囲むように設置された椅子に腰掛けます。静寂の中、彼女が歌い始めたのは、力強く、そしてどこか哀愁を帯びた、美しいハンガリーの民謡でした。
生の歌声。それが、この特別な空間に見事に響き渡り、私たちの心に直接語りかけてくるようでした。言葉の意味は分からなくても、歌に込められた喜びや悲しみ、そして人々の祈りのようなものが、ひしひしと伝わってきます。その圧倒的な声量と表現力に、鳥肌が立つほどの感動を覚えました。これは間違いなく、行く価値があります。万博会場で、こんなにも本格的で魂のこもった生歌を聴けるなんて、本当に贅沢な体験でした。
ただ、一つだけちょっぴり後悔が…。私が座った席が、ちょうどお姉さんの真後ろあたりで、横顔か背中を見ることが多かったのです。「ああ、もう少し正面に近い、反対側の席に座ればよかったな…」と。それでも、素晴らしい歌声は十分に堪能できましたが、これから行かれる方は、ぜひベストポジションを狙ってみてください!
お土産コーナーと、大行列のレストランへの憧れ
感動的な生歌鑑賞を終え、パビリオンの出口へ向かうと、そこにはお土産コーナーが。ハンガリーらしい刺繍が施された小物や、特産品などが並んでいました。その時は歌の余韻に浸っていて、特に何も買わずに通り過ぎてしまったのですが、後から「あ、記念にピンバッジくらい買っておけばよかったかなぁ」と少し後悔。次回の楽しみに取っておくことにします。
そして、パビリオンの外には、美味しいと評判のハンガリー料理レストランが!しかし、時刻はまだ12時前で、レストランのオープンは14時からだというのに、その入口には既に行列ができ始めていました! さすがの人気ぶりです。ここから2時間以上並ぶのは、さすがに妊婦には厳しい…。残念ですが、今回もレストランは諦めることにしました。
魅力的なメニューがたくさんあると聞きます。お腹がもっと大きくなって、本格的に動けなくなる前に、なんとか一度は訪れてみたい…! 私の万博レストラン巡りのリストに、また一つ、大きな目標が加わった瞬間でした。
ハンガリー館 妊婦さん向け攻略法まとめ
- 優先レーンを利用するなら、混雑の少ない午前中(12時前など)が狙い目! 午後や夕方は対応していない可能性があるので注意。
- メインの生歌鑑賞は必見! その歌声は、万博での最高の思い出の一つになるはずです。
- レストランは超人気!オープン時間よりかなり前から並ぶ覚悟が必要かも。時間に余裕のある日にチャレンジを。
- 館内は落ち着いた雰囲気で、座って鑑賞・待機できる場面が多いので、体力消耗を抑えたい時にもおすすめです。
結論:リベンジして大正解!ハンガリー館は時間選びが鍵の優良パビリオン!
一度は入館を断念したハンガリー館でしたが、今回リベンジして本当に良かったです。時間帯を選ぶという少しの工夫で、こんなにも快適に、そして素晴らしい体験ができるのだと改めて実感しました。
幻想的なアート空間、そして何よりも心に深く刻まれたハンガリー民謡の生歌。それは、万博の喧騒の中で見つけた、静かで美しい宝物のような時間でした。こうしたパビリオンごとの個性や、異なる文化の奥深さに触れられることこそ、万博の醍醐味ですよね。
これから万博へ行かれる妊婦の皆さん、もしハンガリー館に興味があったら、ぜひ午前中を狙って訪れてみてください。そして、あの感動的な歌声を、お腹の赤ちゃんと一緒に聴いてみてくださいね。きっと、忘れられない思い出になるはずです!