2025年大阪・関西万博、その人気は日増しに高まり、会場は連日たくさんの来場者で溢れかえっていますね。万博の開催期間は約半年。お腹に新しい命を育んでいる妊婦さんにとっては、「出産前に一度は行きたいけれど、この混雑と体力を考えると、もう諦めるしかないかな…」と、ちょっぴり寂しい気持ちになってしまうかもしれません。
でも、ちょっと待ってください!多くの海外パビリオンは、そんな私たち妊婦のために「妊婦優先レーン」という素晴らしい制度を用意してくれています。この制度を賢く活用すれば、無理なく万博を楽しむことが可能なのです!今回は、そんな妊婦さんに優しいパビリオンの中でも、特にそのありがたみを実感した「サウジアラビア館」の体験をレポートします。
「動く行列」の罠…座れない辛さと妊婦の現実
サウジアラビア館は、その壮大なスケールと未来的な展示で、万博の中でも屈指の人気を誇るパビリオンの一つ。私たちが訪れた日も、その前には長い待機列ができていました。ただ、このパビリオンはシアター形式ではなく、館内を自由に見て回る「自由観覧形式」。そのため、人の流れは比較的スムーズで、表示されている待ち時間も、他の人気パビリオンに比べると少し短めでした。
しかし、ここに妊婦ならではの「思わぬ罠」が潜んでいたのです。
列は、止まることなく、本当に少しずつ、少しずつ、絶えず動き続けていました。一見、スムーズに進んでいるように見えるこの状況、実は私たち妊婦にとっては非常に過酷なのです。なぜなら、折りたたみ椅子を取り出して、ほんの一瞬でも座って休むことができないから。重たいお腹を支え、ズキズキと痛む腰に耐えながら、中途半端な体勢でひたすらノロノロと歩き続ける…。これは、長時間じっと立ち続けるのとはまた違った種類の、地味で、しかし確実なダメージを身体に与えてきます。
「ああ、座りたい…ほんの1分でいいから座りたい…」そんな悲痛な心の叫びが、喉まで出かかっていました。この体験を通して、行列の「性質」も、妊婦のパビリオン選びにおいて重要な要素なのだと痛感しました。
一筋の光明!優先レーン発見と、わずか5分の奇跡
「このまま並び続けるのは厳しい…」と心が折れかけたその時、入口の右側に、一般列とは別のレーンが設けられているのを発見!「もしかして!」と、希望の光が見えた気がしました。
私たちは、そのレーンの近くにいたパビリオンのスタッフの方に、「すみません、妊娠中なのですが…」と、お腹をさすりながら伝えてみました。すると、スタッフの方はにこやかに「はい、どうぞこちらへ!」と、快く優先レーンへと案内してくれたのです!
この時の安堵感といったら…!あの、座ることもできず、ただひたすら耐えるしかなかった苦行から解放される喜びで、本当に天にも昇る気持ちでした。通常列の待ち時間は30分との表示でしたが、私たちはその優先レーンで5分も待つことなく、スムーズに館内へと入ることができました。 まさに奇跡!この迅速で温かい対応に、心からの感謝が込み上げてきました。
サウジアラビア館 妊婦さん向け攻略法
- 「動く行列」は妊婦には厳しい!無理せず優先レーンを探しましょう(入口右側にありました)。
- スタッフの方に伝えれば、親切に案内してくれます。
- 私の場合、待ち時間30分→5分未満に短縮!体力を大幅に温存できました。
未来と伝統が交差する、壮大なアラビアの世界へ
神対応のおかげで、万全の体調で足を踏み入れた館内。そこは、外の喧騒とは別世界の、壮大で美しい空間でした。
圧巻の建築と、文化の香り
まず私たちを迎えてくれたのは、天に向かってダイナミックに反り立つ壁が印象的な、巨大な中庭空間。そのスケールの大きさと、モダンでありながらどこかアラビアの伝統を感じさせる建築美に、思わず「すごい…」と息をのみました。ここを歩いているだけで、まるで未来都市、あるいは遥かなる砂漠の宮殿に迷い込んだかのような気分になります。
館内では、サウジアラビアの豊かな文化や、近年めざましい発展を遂げているスポーツシーンなどが、最新の映像技術を駆使して紹介されていました。特に、伝統的な楽器を演奏している方がいて、そのエキゾチックで美しい音色が館内全体に響き渡っていたのが印象的でした。じっくりと時間をかけて見れば、サウジアラビアという国の奥深い魅力に、一日中浸っていられそうなほど、コンテンツは非常に充実していました。
ただ、やはり館内も多くの人で賑わっており、一つの展示をゆっくりと眺めるのは少し難しい状況。「人に押されて、お腹に何かあったら大変だ…」という思いから、私たちは残念ながら、一つ一つの展示を深く掘り下げることはせず、全体の雰囲気を味わいながら、さらっと見て回ることにしました。これも、妊婦ならではの自衛策ですね。それでも、館内に満ちる未来へのエネルギーと、大切に受け継がれる伝統の香りは、十分に感じ取ることができました。
出口の誘惑…大人気のカフェと、憧れのレストラン
パビリオンの出口付近には、これまた魅力的なエリアが待ち受けていました。それは、「サウジアラビア・カフェ」です。漂ってくる本格的なアラビアコーヒーの香ばしい香りと、美味しそうなデーツ(ナツメヤシの実)やスイーツの数々…。しかし、そのカフェの前にもまた、長い行列ができていました。「うーん、ここも並ぶのか…」と、今回は泣く泣く断念。
そして、このサウジアラビア館には、カフェとは別に本格的なレストランもあるのですが、今やそのレストランは「万博で最も予約が取れないレストランの一つ」と言われるほどの、超人気店になってしまっています。並ぶことすら困難な状況なのだとか。
いつか、あのレストランで、本場のカブサを味わってみたい…。それは、私の万博における、大きな大きな夢の一つです。お腹がもっと大きくなって、本格的に動けなくなってしまう前に、一度でいいから入ってみたい…! と、切に願うばかりです。
結論:サウジアラビア館は、妊婦の体力と心を守ってくれる神殿だった!
今回訪れたサウジアラビア館。展示をじっくり見られなかったり、カフェやレストランに入れなかったり、ちょっぴり心残りはありましたが、それでも私の中では「訪れて本当に良かった!」と断言できる、素晴らしいパビリオンでした。
その最大の理由は、やはりあの妊婦優先レーンの存在です。「動く行列」という、妊婦にとって地味に辛い状況から救い出し、わずか数分で快適な館内へと導いてくれたあの対応は、まさに「神対応」そのもの。身体的な負担を軽減してくれただけでなく、「妊婦さんを大切にしよう」という温かい心遣いが、何よりも心に沁みました。
万博という巨大なイベントの中で、私たち妊婦が安心して楽しめる場所がある。その事実が、万博全体への信頼感と、次への活力に繋がります。
もし、サウジアラビア館の行列を見て「これは無理かも…」と躊躇しているプレママさんがいらっしゃったら、ぜひ諦めずに、入口の右側にある優先レーンを探してみてください。きっと、そこには砂漠のオアシスのような、安らぎと感動の体験が待っているはずです!