出産を終えて、いよいよ待ち望んでいた赤ちゃんとの生活がスタート! 慣れない育児に奮闘しつつも、毎日新しい発見と喜びに満ちた日々を送っていることと思います。
育児休業に入ると、これまでとは生活がガラッと変わりますよね。特に、収入が育児休業給付金になり、現役時代よりも収入が減少するため、家計を見直す機会になる方も多いのではないでしょうか。
そんな時、「そういえば、毎月積み立てていたつみたてNISA、このまま続けても大丈夫かな?」「収入が減ったのに、投資に回す余裕なんてあるのかな…」と、迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、育児休業中につみたてNISAを続けるべきかどうかについて、考えるべきポイントと、判断するためのヒントをお話ししたいと思います。
つみたてNISAって、どんな制度?(おさらい)
まず、つみたてNISAについて簡単におさらいしておきましょう。
つみたてNISAは、国が国民の長期的な資産形成を支援するために作られた制度です。
- 少額から始められる: 月々数百円や数千円といった少額からでも投資信託などの購入を積み立てていけます。
- 運用益が非課税: 通常、投資で得た利益(運用益)には税金がかかりますが、つみたてNISA口座で得た運用益は非課税になります。
- 長期・積立・分散投資: この3つを基本的な考え方としており、非課税で積み立てられる期間が決まっているなど、長期的な資産形成に向いた制度設計になっています。
特に、長期間にわたってコツコツ積み立てていくことで、リスクを抑えながら、将来の資産形成を目指しやすいのが大きな特徴です。
育児休業中の家計、どう変化する?
育児休業中は、育児休業給付金が支給されます。これはありがたい制度ですが、多くの場合、現役時代の給与からは減少します。
一方で、オムツ代やミルク代、ベビー用品の購入など、赤ちゃんにかかる費用が増えてきます。そのため、育児休業中は家計がこれまでよりも厳しくなる可能性があります。
育児休業中につみたてNISAを続けることのメリット
家計が厳しくなる可能性がある中で、あえて育児休業中につみたてNISAを続けることには、以下のようなメリットが考えられます。
- 長期投資のメリットを継続できる: つみたてNISAは長期投資でこそ非課税メリットや複利効果を最大限に活かせます。育児休業期間中も積立を続けることで、投資のブランクを作らず、着実に目標に向かって積み立てを継続できます。
- 時間の分散効果(ドルコスト平均法): 相場が良い時も悪い時も、毎月一定額を買い続けることで、購入単価を平均化し、将来の値上がり益につながる可能性を高める「ドルコスト平均法」の効果が期待できます。相場が下がっている時期に積立を続けることは、将来的に値上がりした際に大きな利益に繋がるチャンスにもなります。
- 少額から始められる手軽さ: つみたてNISAは月々数百円からでも積立額を設定できます。家計が厳しい時期でも、無理のない範囲で積立額を減額して継続するという選択肢があります。
- 目標達成への着実な一歩: 積立を止めてしまうと、目標としている将来の資産形成の達成が遅れてしまう可能性があります。少しずつでも続けることで、目標達成に着実に近づけます。
育児休業中につみたてNISAを続けることのデメリット・懸念点
良い点がある一方で、注意しておきたいデメリットや懸念点もあります。
- 家計への負担: 収入が減っている中で積立額を捻出するのが難しくなり、毎月の生活費を圧迫してしまう可能性があります。
- 資金の流動性: 積み立てている資金は、必要になった時にすぐに現金として引き出せない場合があります(運用資産を売却する手続きが必要)。急な医療費や思わぬ出費があった際に、すぐに資金を用意できないリスクも考えられます。
続けるべきか?判断するための考え方
育児休業中につみたてNISAを続けるかどうかは、「これが正解!」という決まった答えはありません。ご自身の家庭の状況や、今後のライフプランによって、最適な判断は異なります。
判断するためのヒントとして、以下の点を考えてみましょう。
- まずは家計状況をしっかり把握!: 育児休業給付金はいくらもらえるのか、毎月の固定費や変動費はどのくらいか、赤ちゃんにかかる費用はどのくらいかなどを具体的に計算し、毎月積立に回せる余裕が本当にあるのかを確認しましょう。無理は禁物です。
- 今後のライフプランと資金計画: いつまでに、どのくらいの資金が必要か(住宅購入資金、子どもの教育資金、自分たちの老後資金など)。つみたてNISAで積み立てている資金は、その目標資金のどの部分を担っているのかを考えましょう。
- 非常用資金は確保できている?: 育児休業中に限らず、万が一の事態に備えて、すぐに使える非常用資金(生活費の数ヶ月分など)が確保できているか確認しましょう。非常用資金を切り崩してまで投資に回すのは避けるべきです。
- 積立額の見直しを検討: もし継続したいけれど、毎月の積立額が家計を圧迫してしまう場合は、思い切って積立額を減額することを検討しましょう。無理のない金額で続けることが大切です。
- 夫婦でしっかり話し合う: お金に関することは、一人で抱え込まず、パートナーと現在の家計状況や今後のことについてよく話し合い、共通認識を持つことが重要です。
最後に
育児休業中につみたてNISAを続けるかどうかは、ご自身の家庭の経済状況や、今後のライフプラン、そして「無理なく続けられるか」という点が重要な判断基準になります。
長期投資のメリットを享受できる一方で、無理な積立は生活を圧迫するリスクもあります。
まずはご自身の家計をしっかり把握し、夫婦で話し合い、非常用資金が確保できているか確認した上で、積立額の見直しなども含めて検討してみてください。
焦らず、ご自身にとって、そしてご家族にとって最も良い選択をしてくださいね。応援しています!