妊婦さんが寿司を避けるべき理由:リスクと安全な食べ方

寿司は日本人にとって身近な食べ物ですが、妊娠中には注意が必要です。特に、生魚を使った寿司には、食中毒や寄生虫のリスクがあり、胎児に影響を及ぼす可能性があるため、慎重になることが推奨されています。ここでは、妊婦さんが寿司を避けるべき理由と、安全に楽しむ方法について説明します。

 

1. リステリア菌の感染リスク

リステリア菌は生の魚介類や未殺菌の乳製品に存在することがあり、感染するとリステリア症を引き起こす恐れがあります。リステリア症は妊婦さんにとって特に危険で、流産や早産、胎児の感染症などのリスクがあるため注意が必要です。リステリア菌は低温でも増殖できるため、冷蔵庫で保存した生魚でも感染のリスクが残ります。妊娠中はリステリア菌の影響を避けるために、生魚を使った寿司を控えることが推奨されます。

2. 寄生虫アニサキスによる影響

寿司に使われる生魚には、寄生虫であるアニサキスが含まれる可能性があります。アニサキスが体内に入ると、腹痛や嘔吐などの症状を引き起こす「アニサキス症」を発症することがあります。アニサキス症自体が胎児に直接影響を与えるわけではありませんが、妊娠中に強い痛みや不快感を感じると、妊婦さん自身の体調に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。アニサキスは冷凍処理によって死滅しますが、妊娠中は生魚そのものを避けるのが安心です。

3. 水銀含有量の問題

魚によっては、微量の水銀が含まれている場合があります。特にマグロやカジキなどの大型魚には水銀が蓄積されやすいため、胎児の神経発達に悪影響を与えるリスクがあります。刺身や寿司に使われる魚の中でも、種類によっては妊娠中の摂取を控えることが推奨されています。特に、マグロやビンチョウマグロなどは水銀濃度が比較的高いため、妊娠中は控えたほうが良いでしょう。

4. 寿司以外の加熱した魚介類を選ぶ

妊娠中でも魚介類の栄養素を摂取したい場合は、加熱処理をした魚介類を選ぶと安全です。加熱された魚介類は寄生虫や細菌が死滅するため、リスクを大幅に減らすことができます。寿司の代わりに、焼き魚や煮魚などの調理済みの魚を取り入れることで、DHAEPAといった胎児の発育に必要な栄養をしっかり摂取できます。

5. 握り寿司の代わりに巻き寿司を楽しむ

どうしても寿司が食べたい場合は、火が通っている食材を使用した巻き寿司や、野菜を使った寿司を選ぶのも一つの方法です。例えば、かんぴょう巻きや納豆巻き、キュウリ巻きなどは、リスクが低く妊婦さんでも安心して楽しめます。また、エビや貝類などを加熱調理したものが入った寿司も比較的安全です。ただし、寿司飯に含まれる酢は問題ありませんが、全体的に塩分が多いため、食べ過ぎには注意しましょう。

6. 信頼できる店での購入

どうしても寿司を食べる場合は、衛生管理がしっかりした信頼できる店舗を選びましょう。とはいえ、妊娠中は免疫が低下しがちなため、普段以上にリスクを避ける意識が大切です。安全が確認できる加熱済みの寿司でも、できるだけ新鮮で衛生的なものを選びましょう。

まとめ

妊婦さんが寿司を食べる場合には、食中毒や寄生虫、水銀などさまざまなリスクが存在します。安全な食事を心がけ、妊娠中はできるだけ生魚を避け、加熱済みの魚や野菜の寿司を楽しむことで、安心して美味しい食事をとりましょう。大切な赤ちゃんのためにも、慎重な選択を心がけてください。